
遠くから手元までを見る「遠近両用レンズ」、室内で使いやすい「中近レンズ」、デスクワークに適した「近々レンズ」。
これらはすべて、1枚のレンズの中で度数が少しずつ変化する「累進レンズ」の仲間です。
そして、累進レンズの見え方やフレーム選びに関係するのが「累進帯長(るいしんたいちょう)」です。
今回は、累進帯長の違いによって何が変わるのか、フレームとの関係も含めて分かりやすく
ご紹介します。

累進帯長とは?
累進レンズは、レンズの中で度数を連続的に変化させることで、複数の距離を見られるように
設計されています。
この度数が変化していく部分の長さが「累進帯長」です。
遠近両用レンズでは、上部に遠くを見る度数、中央に中間距離、下部に手元を見る度数が
配置されています。
中近・近々レンズも同じように度数が変化しますが、見やすさを重視する距離や度数の配置は
異なります。
累進帯長の基準や表記方法もメーカーや製品によって異なるため、数字だけで単純に比較する
ことはできません。

累進帯が長い場合の特徴
累進帯が長いレンズは、比較的長い距離を使って度数が変化します。
同じ種類や設計、度数などの条件で比較した場合、主に次のような特徴があります。
・度数の変化を比較的穏やかに感じやすい
・中間距離への変化が緩やかになりやすい
・見たい度数に到達するまでの視線移動が大きくなる
遠近両用レンズで手元を見る場合は、累進帯が短いレンズよりも視線を大きく下げる必要が
あります。
中近・近々レンズでも、上部と下部を使い分ける際の視線移動が大きくなる場合があります。
累進帯が短い場合の特徴
累進帯が短いレンズは、比較的短い距離の中で度数が変化します。
主な特徴は次のとおりです。
・少ない視線移動で見たい度数に到達しやすい
・上下幅の浅いフレームにも対応しやすい
・度数の変化を急に感じる場合がある
・周辺部の揺れや歪みを意識する場合がある
短い累進帯は小ぶりなフレームにも収めやすくなりますが、すべての方にとって使いやすいとは限りません。

短いフレームには短い累進帯を選べばよい?
天地幅の浅いフレームには、短い累進帯が適している場合があります。
しかし、「フレームが小さいから、一番短い累進帯を選べばよい」とは限りません。
累進帯を短くすると、限られた上下幅にも必要な度数を収めやすくなります。
その一方で、狭い範囲に度数変化が集中するため、人によっては違和感につながることが
あります。
また、同じフレームでも、掛けたときの瞳の位置によってレンズ内で使える範囲は異なります。
特に中近・近々レンズでは、瞳より下側だけでなく、上側に必要な度数の範囲も確認しなければなりません。
フレームの天地幅だけでなく、実際に掛けた状態で判断することが大切です。

累進帯 長と揺れ・歪みの関係
累進レンズは、レンズの中で度数が連続的に変化しています。
その構造上、周辺部には揺れや歪み、ぼやけを感じやすい部分が生じます。
同じ種類・設計・度数などの条件であれば、累進帯を短くするほど、狭い範囲で度数を変化
させる必要があります。
そのため、度数変化や周辺部の揺れ・歪みを強く感じる場合があります。
ただし、「短い累進帯は必ず揺れる」「長い累進帯なら歪みがない」ということでは
ありません。
揺れや歪みの感じ方には、累進帯長だけでなく、レンズの種類や設計、必要な度数、フレームの形状、掛かり具合なども関係します。
そのため、累進帯長だけでレンズの性能や見やすさを判断することはできません。
累進帯長はどのように決める?
累進帯長は、フレームの大きさだけで決めるものではありません。
眼鏡店では、主に次のような点を確認します。
・遠近・中近・近々のどれを使用するのか
・普段どの距離をよく見るのか
・どのくらいの度数変化が必要なのか
・フレームを掛けたときの瞳の位置
・現在使用しているレンズの種類や累進帯長
すでに累進レンズを使用している場合は、現在のメガネで見づらい場面や、手元を見るときの
視線の位置も大切な判断材料になります。

フレーム選びとフィッティングも重要
累進レンズでは、レンズ選びだけでなく、フレームの掛かり具合も見え方を左右します。
フレームがずり落ちると、測定した位置と実際の瞳の位置がずれてしまいます。
その結果、
・見たい距離にピントが合いにくい
・顎を上下させないと見えない
・中間距離や手元の範囲が狭く感じる
・揺れや歪みを感じやすくなる
といった違和感につながることがあります。
累進レンズを作製するときは、先にフレームをお顔に合わせ、その状態で瞳の位置を測定する
ことが大切です。
完成後も定期的にフィッティングを見直し、設計された位置でレンズを使える状態に保ちましょう。
まとめ
累進帯長とは、累進レンズの中で度数が連続的に変化する部分の長さです。
遠近両用レンズだけでなく、中近・近々レンズにも累進帯長があります。
累進帯が長い場合は、度数変化を比較的穏やかに感じやすい一方、見たい度数までの視線移動が大きくなります。
累進帯が短い場合は、少ない視線移動で見たい度数に到達しやすく、小ぶりなフレームにも対応しやすい一方、度数変化を急に感じる場合があります。
どちらが優れているということではなく、見たい距離や必要な度数、フレームの形状、瞳の位置などに合わせて選ぶことが大切です。
GILBERT EYEWEARでは、普段よく見る距離やメガネを使用する場面、現在お使いのレンズ
などを確認しながら、お一人おひとりに合った累進レンズをご提案しています。
遠近・中近・近々レンズの選び方や、現在お使いのメガネの見え方についても、お気軽にご相談ください。
※累進帯長の定義や表記方法、選択できる長さは、レンズの種類・メーカー・製品によって
異なります。
