
秋になると、翌年の春に小学校へ入学するお子さんを対象とした「就学時健康診断」が各自治体で始まります。
中野区では、例年9月下旬から10月上旬に案内が送られ、10月から11月にかけて就学時健康診断が行われるそうです。
このコラムでは、就学時健康診断で行われる視力検査と、結果を受け取った後の流れについて
ご紹介します。
就学時健康診断とは?
就学時健康診断は、翌年の4月に小学校へ入学する子どもを対象に、市区町村が実施する
健康診断です。
内科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科などの健診に加えて、視力検査や聴力検査などが行われます。
その目的は、子どもの健康状態を確認し、学校生活を始めるうえで詳しい検査や治療が必要と
思われる場合に、入学前の受診へつなげることです。
就学時健康診断を受けた時点で、病気やメガネの必要性がすべて確定するわけではありません。
あくまでも、子どもの身体や見え方について、さらに詳しく調べる必要がないかを確認するための健診と考えると分かりやすいでしょう。

視力検査では何を確認するの?
就学時健康診断の視力検査では、片方の目を隠し、左右の目を別々に確認します。
普段メガネを掛けていない子どもは裸眼で検査し、すでにメガネを使用している場合は、メガネを
掛けた状態の視力も確認します。
ただし、就学時健康診断の視力検査は、眼科で行う詳しい検査とは異なります。
慣れない場所で緊張していたり、ランドルト環の切れ目をうまく答えられなかったりして、本来の
見え方を十分に確認できないこともあります。
一方で、家庭では気づかなかった左右の見え方の差や、近視・遠視・乱視などの可能性が見つかる
こともあります。
そのため、健診結果の数字や判定だけでメガネが必要かどうかを決めるのではなく、必要に応じて
眼科で詳しく確認することが大切です。

3歳児健診で問題がなくても、改めて確認を
多くの子どもは、就学時健康診断より前に3歳児健診で視力検査を受けています。
そのときに問題を指摘されなかった場合、「一度検査を受けているから大丈夫」と感じる方もいる
かもしれません。
しかし、3歳児健診から小学校へ入学するまでには数年の期間があります。
その間に身体が成長するのと同じように、目の状態や見え方にも変化が生じることがあります。
また、幼稚園や保育園では不便を感じていなかった子どもでも、小学校へ入学すると、離れた黒板や掲示物、手元の教科書やノートなど、さまざまな距離を見るようになります。
就学時健康診断は、以前の健診結果を確認するためだけのものではありません。
これから始まる小学校生活に向けて、現在の見え方に気になる点がないかを改めて確認する機会
でもあります。

視力について指摘されたら、まず眼科へ
就学時健康診断で視力について指摘されると、「すぐにメガネを作らなければ」と考える方もいるかもしれません。
しかし、健診の結果だけでは、見えにくさの原因やメガネの必要性までは判断できません。
近視・遠視・乱視などの屈折状態だけでなく、左右の目の見え方や目の位置、目の病気が隠れていないかなども確認する必要があります。
また、検査に慣れていなかっただけなのか、実際に見えにくさがあるのかを見分けるためにも、眼科での詳しい検査が必要です。
結果のお知らせや受診を勧める書類を受け取った場合は、自己判断で様子を見るのではなく、
まず眼科を受診しましょう。
眼科で検査を受けた結果、すぐにメガネを作らず経過を観察する場合もあれば、治療やメガネの装用が必要になる場合もあります。
メガネが必要になったときは、眼科で発行された処方箋の内容をもとに作製します。
小学校に入ると「見る環境」が変わります
小学校へ入学すると、子どもが見るものや距離は大きく変わります。
教室では、離れた場所にある黒板や掲示物を見た後、手元の教科書やノートへ視線を移します。
さらに、先生の動きや周囲の友達、タブレット端末、体育の授業や登下校中の景色など、さまざまな距離へ視線を動かしながら生活します。
幼稚園や保育園では大きな不便を感じていなかった子どもでも、小学校へ入ってから黒板の文字が見づらいことに気づく場合があります。
入学前に見え方を確認しておくことは、授業を受けるためだけでなく、周囲の状況を把握し、
安全に学校生活を送るためにも大切です。

メガネが必要になったときの入学準備
眼科の検査でメガネが必要と判断された場合は、度数だけでなく、子どもの顔に合ったフレームを選ぶことも重要です。
子どものメガネは、鼻や耳にきちんと掛かり、レンズの適切な位置を通して見られる状態でなければ、処方された度数を十分に活かせません。
フレームが大きすぎたり、鼻からずり落ちたりしていると、正しい位置でレンズを見ることが難しくなります。
反対に、小さすぎるフレームは、こめかみや耳を圧迫したり、成長によってすぐに掛けにくくなったりする可能性があります。
子どもの顔幅や鼻の形、耳までの距離、動き方などを確認しながら、無理なく安定して掛けられるものを選びましょう。
また、初めてメガネを掛ける子どもは、見え方や掛け心地に慣れるまで少し時間がかかることがあります。
入学直前に慌てて準備するのではなく、必要性が分かった段階で作製し、入学までにメガネのある生活へ慣れておくと安心です。

すでにメガネを掛けている子も確認を
就学時健康診断は、すでにメガネを掛けている子どもにとっても、現在の見え方を確認する機会になります。
メガネを作った当初は合っていても、子どもの成長や度数の変化によって、少しずつ状態が合わなくなることがあります。
入学前には、次のような点も確認してみましょう。
・現在のメガネで必要な視力が得られているか
・フレームが顔に対して小さくなっていないか
・鼻や耳に強く当たっていないか
・メガネがずり落ちたり、傾いたりしていないか
・フレームに曲がりや変形がないか
・レンズに見え方を妨げる傷がないか
メガネがずれた状態で掛け続けている場合は、度数に問題がなくても、本来想定されている位置でレンズを見ることができません。
買い替えが必要とは限らないため、まずは眼鏡店で掛かり具合やフレームの状態を確認してもらいましょう。

まとめ
就学時健康診断は、小学校への入学前に、子どもの見え方をあらためて確認できる大切な機会
です。
視力について指摘された場合でも、必ずしもすぐにメガネが必要になるとは限りません。
まずは眼科で詳しい検査を受け、見えにくさの原因やメガネの必要性を確認することが大切です。
メガネが必要になった場合は、処方された度数だけでなく、子どもの顔に合ったサイズや掛け具合まで確認し、正しい位置で無理なく掛けられるように準備しましょう。
ランドセルや学用品と同じように、教室でしっかり見るための準備も、入学前に整えておきたいものです。
GILBERT EYEWEARでは、眼科の処方箋をもとにした子ども用メガネの作製を行っています。
初めてのメガネ選びはもちろん、現在使用しているメガネのサイズ確認や掛け具合の調整についても、お気軽にご相談ください。
